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山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Science and Technology, 26(10), p.939 - 947, 1989/10
(Th,U)O微小球製造のためのゾルゲル法において、原料のTh(NO)から持込まれる不純物硫酸塩の挙動を研究している。ゾル中では、U含有率U/M(M:Th+U)のいかんにかかわらず、ほとんどすべての硫酸イオンがコロイド粒子に吸着している。しかし、ゲル球中の硫酸イオンは、U/Mが10mol%以上の場合容易に洗い出されるが、より低いU/Mではそうではない。特にThOゲル球中の硫酸イオンは長時間洗浄でも除くのが困難である。ゲル球中に残る硫黄は空気または水蒸気中1000C 3hの加熱で除去できる。ThOの場合は1300C加熱で除かれる。一方、Ar-4%H中加熱では、1500Cでもほとんどの硫黄が同定できていないM-O-S化合物として残る。加熱中に硫黄は水素と反応してHSとなり徐々に放出される。研究の結果、ゾルゲル工程中に不純物硫酸塩を除去する適当な条件を見出している。
三宅 通博*; 鈴木 喬*; 森川 日出貴*; 大野 英雄; 古川 和男
First Inter.Symp.on Molten Salt Chem.Technol.,J-207, p.354 - 357, 1983/00
溶融アルカリ硫酸塩RSO(R=Li,Na,K,CsおよびAg)の構造を、融点直上におけるX線解析法により考察した。これらすべての溶融塩において、結晶状態で存在するSO四面体が溶融状態においても存在することが明らかとなった。溶融NaSO,KSOおよびCsSOにおいては、カチオンは主としてSO四面体の頂点あるいは面位置に存在する確率が高いことを示している。一方、溶融AgSOにおいては、カチオンの存在確率が高い位置はSO四面体の頂点あるいは積位置である。溶融NaSO,KSO,CsSOおよびAgSOにおけるイオンの長距離配列はCaF型に類似(Ca位置にSO、F位置にカチオン)しており、溶融LiSOの場合はTiO型配置に類似(いづれも=10以内における考察ではあるが)していることが明らかとなった。
大野 英雄; 古川 和男
J.Chem.Soc.,Faraday Trans.,I, 74(4), p.795 - 803, 1978/04
溶融アルカリ硫酸塩、LiSO(融点860C)ならびにNaSO(融点884C)について、X線解析により動径分布函数を求め、その液体構造を考察した。これらの溶融塩中には、正四面体[SO]イオン(S-O距離1.50が存在しており、3以上で動径分布函数に大きなピークが見出されたが、これはZarzyckiの主張する硫酸イオン[SO]が完全に自由回転しているモデルでは説明できず、アルカリイオンと[SO]イオン間の特殊な幾何学的配置を考える必要がある。このことはすでに分子容の考察から指摘されていたことである。本稿ではさらに測定された動径分布函数を説明し得る三次元的構造についても考察した。